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妹とその彼氏の喧嘩話を聞いてると笑いが止まりません。
なんで他人の痴話喧嘩ってこんなに面白いんだろうね!!

てことでその妹からのお話をネタにしたぱっつち書きますー。
ギャグです。

コメントのお返事は次に!


「ここ、掃除しといてくれる?」
「ああ」

銀八の家があまりに汚いため、俺が提案した「一日がかり大掃除」。
取りかかるまでは銀八も面倒そうにしていたが、いざ始まるととことんやらねーと済まない性格らしい銀八は、台所にこびりついたカビを徹底的に綺麗にしたいんだと言い、自室を俺に任せた。
十畳程度のフローリング。家具はほとんどなく、この部屋のサイズに合わない小さめのカーペットが二枚敷いてある。
俺は、実は掃除を言い出しておきながらも、そう掃除が好きなワケではない。だが、まあ掃除機くらいなら。
床がむき出しになっている部屋の壁際から、カーペットが敷いてある中央まで、隅から隅を丁寧に掃除機をかけ終えた俺は、台所でごしごしとタイルを擦ってる銀八まで掃除終了を言いにいった。

「終わったぞ」
「え、もう?早くね?ちゃんとした?」
「ああ。しっかり掃除機した」
「カーペットの下は?」

…カーペットの下?

「…床が汚れねェためにカーペット敷いてンじゃねーのか?」
「そうだけどさ、たまには掃除してェだろー。フローリングも日の光浴びてェだろー」
「あの部屋、日光入らねーだろ」
「いいから早くしてきてよ」
「なら手伝えよ。カーペットどかすのだけでいいから」

仕方ねーなあ、まだこっち終わってねーんだけどなあ、とぶつぶつ言いながら、銀八と二人で先程の部屋に戻る。
カーペットは二枚。銀八はそのうちの小さい方をめくった。
そのカーペットは下に滑り止めシートなどの動かないための工夫はされておらず、また薄めの生地だったため、案外あっさりとめくれるらしい。

「ならそれ持っといてくれよ銀八。俺がその隙に…」
「イヤイヤ、こうするの」

銀八はそのカーペットを、横に敷いてあるカーペットの上に置いた。本をめくるように、表同士を合わせるように。つまりはいつも床に面している部分が今見えている状態だ。

「…なんだこの状態。見たことねーよ、こうやって床掃除する奴」
「普通でしょーが。はい、じゃあ掃除機して」

言われるがまま、カーペットがなくなった床に掃除機をかける。銀八はさっきまで台所に執着してたのを忘れたかのように、俺の背後でびっちり監視していた。
…いや、まあここは銀八ンちだし、手伝えと言ったのも俺だが、こうずっと見られンのも落ち着かねーものがある。

「終わったぞ」
「うん、じゃあ次ここ」

銀八が指差したのは、裏側を見せているカーペットだった。ずっと床に面しているのでほぼ汚れていない。
マジでかと銀八を見ると、銀八は何だと首を傾げた。
…まあ、家庭ごとの掃除方法ってのがある。俺はカーペットの裏側を、吸引力「弱」にしてゆっくり吸い取った。あまり吸引力を上げると、カーペットを吸いこんでしまうからだ。ったく、ややこしい。

「…終わったぞ」
「はーい、ありがとう」

銀八は無駄に眼鏡を中指でくいっと上げて微笑んだ。その表情がサマになってて、少し不機嫌になってた俺は単純にも機嫌を直す。

「そんじゃ、こっち側のカーペットの下も掃除しといてくれる?俺、台所戻ってるから」
「ああ、わざわざ悪かったな。任せとけ」
「うん、じゃ頼む」

ポン、と頭なんか撫でられて、俺はすぐに振り払うも顔は真っ赤だ。
銀八は軽く笑いながら台所に戻って行った。
さて、頼まれたからにはきっちりやるか。ひとまずカーペットを元通りにし、続いて隣に敷いてあるもう一枚のカーペットを裏返そうと手をかけたとき。

「土方ー」

台所から声が聞こえた。

「ンだよ」
「さっき裏返したカーペットの表も、きっちり掃除機しとけよー」
「ああ、それならさっき銀八呼ぶ前に一度…」
「いや、もう一枚のカーペットと表同士くっついただろ。汚れたから」
「…だから、そのもう一枚のカーペットの方も、表はさっき掃除機したって言ってンだろ」
「それでもー。俺が気になるからー」

何が気になるんだよ!さっき俺が掃除機したっつってンだろ!
苛々しながら言い返そうとするも、銀八はもうこの話は終わったとばかりに鼻歌なんざ歌いながらタイルの掃除に取りかかっている。

「…抑えろ、俺。綺麗好きなのは良い事だ。抑えろ」

苛々、苛々。だが、まあこの家は銀八のモンだ。この家に関するすべての決定権は銀八にある。
舌打ちひとつ零し、俺は両方のカーペットの表を掃除機で綺麗に掃除した。
さて、次はまだ裏返していない側のカーペットの下だ。
さっき銀八がしたように、隣のカーペットの上に乗っけるためにカーペットを裏返そうと手をかけると、どうやらこっちのカーペットはある程度大きいためか、滑り止めシートが下にあった。
そのシートも一緒に隣のカーペットに乗せようとすると、背後からものすごい大声が聞こえて俺は肩を震わせた。

「何やってんのォォォ!?」
「ッ!!…おまっ、びっくりしただろーが!お前こそ何だよ!」
「何やってんの土方!?何やろうとしたの!?」
「何って…だから、さっき銀八がやったみてェに、カーペットを隣のカーペットに乗せて」
「いや、こっちのカーペットは滑り止めがついてンじゃん。それも一緒に隣にってさ、ちょっと難しくね?無理じゃね?無駄に埃が立つよね?」

別に難しくねーよ。埃、埃って、さっき一応この部屋全体掃除機してンだから、そう埃も立たねーよ。無理じゃねーよ。
言いたいことは山ほどあったが、俺はぐっと堪えて少し語気も強めに聞き返した。

「なら、こっちのカーペットはどうすりゃ良いんですか、センセイ。…っつか、さっきからカーペットカーペットって互いに言い過ぎだから。もう疲れたから」
「こっちのカーペットは、こうすんの。…っつか、それ俺も今言おうとしたからね。カーペットって言い過ぎだから俺ら。違う呼び方にする?絨毯にする?」

くだらねェ事を言いながら、銀八は問題のカーペットの角を取り、くるくると巻き始めた。

「こっちの絨毯は、くるくるだから」
「くるくるだからって何だァァァ!!ンな当たり前みてェな顔して言ってンじゃねーよ!さっきの絨毯と掃除の方法違うなら先に言っとけや!!って俺、つられて絨毯とか言ってるゥゥゥ!?」
「ンだとテメェ、くるくるを馬鹿にするってのか!!くるくるだって苦労してンだよ!梅雨時なんて毎朝爆発してンだよ!」
「誰がテメェの髪質の話してンだよ!カーペットの話だろーが!」

口喧嘩をしながら、銀八がくるくると丸めて半分以上見えた床部分に掃除機をかける。
さて、次は今裏返せなかった残り半分のカーペット下部だと、俺がさっきとは違う角をくるくる丸めようとした時。

「いや、そこはそんなんしなくていいから」
「は?こっちも丸めねーと、残りのカーペットの下掃除機出来ねーだろーが」
「そっち側は、ホラ」

銀八は自分が丸めていたカーペットを俺に支えさせ、掃除機を持った。
そして半分まで丸まっているカーペットの下に無理やり掃除機のヘッドを潜り込ませ、無理やり埃を吸い取り始める。
…なんて今まで細かい指示ばっかだったのに、このカーペットの半分だけはそんなアバウトなんだよ!ここまでやったならもう半分も面倒がらずにめくれよ!
とつっこみてェのは山々だが、もうつっこむのも疲れる。カーペットを巻き込みながら無理やり掃除機を終え、カーペットの下から掃除機のヘッドを力任せに抜き取る。本当に掃除出来てンだろうか、丸めなかったカーペットの下は。
最後に仕上げとばかりに、再び部屋全体を掃除機させられ、ようやく終えた俺を銀八は笑顔で労ってくれた。

「お疲れ。悪かったな、色々言って」
「…別に」
「でも、将来一緒に住む時のための勉強だと思えば、なんか嬉しくね?」

嬉しくねーよと言いたかったが、確かに将来二人で暮らす家の事を考えれば嬉しくなっちまう。何も言えなくて部屋を出た。

「あ、ちょっと台所、俺の代わりに掃除やってくんね?道具とかそっち置いてあるから」
「ああ、分かった」

銀八にそう言われ、台所に行く。掃除と言っても銀八がほぼ終わらせていて、俺は残った部分に消毒液をかけようとして、その液体が底をついていることに気付く。
銀八に予備があるのかと尋ねるべく、俺は銀八がいるであろう先程の部屋に戻った。

「なあ銀八、これもう一つある、の、か…」
「ん、洗面台にあるから」

銀八は、ついさっき俺がやった通りのことを、そっくりそのまま、自分でやり直していた。
カーペットの上から、下から、裏側から、床まで、全部を掃除機で綺麗にしている。

「…最初から、自分でやれや」




完。




妹からこの話を聞いたとき、大爆笑でした。彼氏さん最高。
ちなみに妹が土方、彼氏さんが銀八です。
掃除が終わったあと、「もう二度と掃除機はしない」と彼氏に言ったらしい。
他にも面白いエピソードがいっぱいあるんだな~。またネタにできたらいいな!勿論ネタにするって本人には言ってあります!
あ、カーペットらへんの掃除方法、自分もこれなのに…と不快になった方がいましたら申し訳ありません。
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