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まさかの美夜&暁彦夢。オチ?なにそれおいしいの状態。

固定ヒロイン設定で、美夜生存捏造のIF設定です。












『授業が終わったら理事長室へ来てくれないか?……姉が来ている』

そんな理事長からのメールが届いて、わたしは放課後になった途端に教室を飛び出して理事長室に向かった。
逸る気持ちを何度も深呼吸して抑えながら、理事長室のドアをノックする。

「誰かね」

すぐに室内からそう問われて名前を告げると、勢い良くドアが開いて思わず一歩後ずさる。
だけどドアを開けて下さったひとの柔和な笑顔に、わたしは一瞬で心臓を高鳴らせた。

「美夜さん…っ!」
「ふふ、お久しぶりね。相変わらず愛らしいわ」
「ご無沙汰しております!」

理事長のお姉さん…美夜さんは、頭を下げたわたしの肩にそっと繊細な手を乗せると、そのままふわりとわたしを抱き寄せた。
世界的ヴァイオリニストとして色んな国に飛び回っている美夜さんは理事長以上に多忙で、わたしもこうして会うのは数えるほど。
憧れの演奏家を前に、わたしは完璧に舞い上がっている。

「元気にしてたかしら?」
「は、はい!美夜さんは…」
「お姉ちゃん、って呼んでくれて構わないのに。暁彦といずれ籍を入れるんでしょう?」
「え!?」
「…姉さん、彼女を困らせないでくれ。それからいい加減離れて下さい。最後に、早く中に入りドアを閉める事」

苛立ちと困惑の境目にいるような理事長の表情。それは普段よりずっと幼く、素のように見える。
美夜さんはそんな理事長に上品に笑うと、わたしの手を引いて室内に迎え入れてくれた。
美夜さんのフレグランスが漂って、わたしの鼻をくすぐる。いつも、なんて素敵な香りなんだろう。
柔らかなアイボリーを基調としたワンピースは美夜さんの穏やかさを表していて、魅力的なオトナの女性なのに可愛らしさも併せ持っているのがよく分かる。
ソファーに座ってからもにこにことわたしを見つめている美夜さんの上機嫌っぷりに、わたしもついつられて笑顔になってしまって。
本当に、なんて可愛いひとなんだろう。

「美夜さん、いつ日本に?」
「数時間前なの。突撃訪問なんてしたら暁彦が怒るかなって考えたら、そうしたくなっちゃって」
「分かっているのに此処へ来たあなたが理解不能です」

美夜さんが緩やかなペースで話すと、理事長が淡々とそう返す。
いつも美夜さんが来ると殊更不機嫌になる理事長は、読んでいた書類をデスクに置くとわたしの向かい側のソファーに腰を下ろした。
そしてわたしの右手と繋がる美夜さんの左手を射抜き、くっきりと眉を寄せる。

「…姉さん、あなたが来る度に言っていますが、必要以上に彼女に触れないで頂きたい」
「あら、同性であなたの姉の私にまでヤキモチなんて、あっくんったら心が狭いのね」
「…その呼び方は止めて下さい」
「私はこの子とお話したくて来たのよ?あっくんは黙ってなさいっ」
「………」

コラ!とでも言うように美夜さんの人差し指が理事長に突きつけられた。…理事長の右手がぎゅっと拳を握ったのをわたしは見てしまった。
いつも何だかんだで理事長を黙らせてしまうあたり、美夜さんはさすがお姉さんなんだなあと妙な感心をしてしまう。

「とにかく可愛いわ…。こんな素直で純粋な子が暁彦の毒牙にかかっちゃったなんて…」
「わわ、み、美夜さん!」

ふと美夜さんの両手が伸びてきたかと思えば再び腕の中に閉じ込められて、あたふたと理事長を見やる。
理事長はあからさまに不快感を表情に滲ませていて。

「姉さん、此処は過度なスキンシップの不要な国ですよ。誰彼構わず抱き付くならば早くアメリカにでもフランスにでも行って下さい」
「ふふ。暁彦なんて放っておいて、私とディナーにでも行きましょう?」
「彼女の今夜は数日前から私が予約済みです」
「あら、前に会った時とシャンプーを代えたのかしら?良い香りね」
「姉さん!」

前髪あたりに頬をすり寄せられて、尊敬するヴァイオリニストであり理事長のお姉さんでもある美夜さんからのスキンシップにドキドキと緊張と喜びが膨らむ。
理事長が腹立たしげに声を張ると、ようやく美夜さんは理事長に目を向けた。

「邪魔なんて無粋よ、暁彦」
「あえてはっきりと言いますが、邪魔なのはあなたです」
「暁彦ったら、私にまでヤキモチを妬くのはやめなさい。そんなにこの子に愛されてる自信がないのかしら?」

美夜さんの挑発的な声音に理事長の眉が吊り上がった。…ああ…いつも美夜さんが来るとケンカになっちゃう…。
そして今回もまた、美夜さんのケンカを容易く買ってしまった理事長が威厳たっぷりに立ち上がった。

「…いいでしょう。彼女と私の間に姉さんが入る隙間などない事を証明してみせますよ」
「り、理事長?何を…」

不敵に笑った理事長が美夜さんとは反対側の隣に腰を下ろして、わたしは戸惑いながら理事長を見つめる。
理事長はわたしの左手を取ると、何と手の甲に口付けを落とした。

「なっ、り、理事長!?」
「君を一番愛しているのはこの私だ。君の最愛も当然ながら私、だろうね?」
「あ…え、えっと、それはもちろ、」

もちろん、と答えかけた口は右側から伸びてきた手に覆われて使えなくなった。
そのまま無理やり右側を向かされて、にっこりと微笑んだ美夜さんと目が合う。

「ふふ。困ってる顔を見ると更に追い詰めたくなっちゃうわね」
「(ええー!?)」
「いつか私と一緒に世界を周りましょう…暁彦抜きで。約束よ」

左右から向けられる台詞と熱い眼差しに、わたしはただただ困り果てるしかなかった。

「「さあ、どっちを選ぶ?」」











「…あの、どうしてそうも対立を…?」
「あなたを巡る――」
「――ライバルだから。に決まっているだろう?」
「(吉羅家に好かれる遺伝子でもあるのかな…わたし…)」









fin.










どうしてこうなった(笑)
ただ単に美夜お姉様に溺愛されたかっただけなんです。お姉様の趣味は暁彦くんをからかうことです。
とりあえず私なら美夜お姉様を選んで暁彦をしょんぼりさせたいです。で、その表情をお姉様と楽しみたいです。

美夜の捏造すみませんでしたー!いつかもっとがっつり書いてみたい!
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