忍者ブログ

09

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
□    [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

□    血の呪縛

突然書きたくなった、小ネタ。
血+のパロです。

土方→小夜ちゃん。
銀時→ハジ。
伊東→ソロモン。な感じ。
あと出てきてないけど、カイは総悟でリクは山崎(笑)
本来カイは小夜の兄ですが、配役が配役なので弟になってます。

ヤマなしオチなしイミなしになってしまった…。



「いつわりなんかじゃねェ!!」

過去に忘れ去られた”動物園”、そこの一角にある廃墟に十四郎の声が響いた。昼時の高い太陽の光が何本も建つ柱から差し込む中、十四郎の漆黒の学ランも光に包まれる。
これまで幾度となくくぐり抜けてきた戦いのせいで、ほつれている服。だが怪我自体はすぐに治ってしまうのが十四郎の血液のもつ力故で。

「いつわりじゃない?なんでそう言えるのか、僕は理解に苦しむ」
「総悟も退も!近藤さんだって!俺を大事にしてくれた!血が繋がってなくても、俺達は家族だ!」

姿の見えない声が、廃墟の中で反響し合って十四郎に注がれる。声の主を探して周りを睨みながら、十四郎は怒鳴り続けた。
血は繋がっていなくとも、過ごした時間は短くとも、総悟も退も、自分を兄として慕ってくれた。…父親のように思っていた近藤も、十四郎の腕の中で静かに息を引き取ったのだ。

「俺のこと、大切だと言ってくれた!俺のっ…俺の血で死んでいく近藤さんも!俺のせいでンなことに巻き込まれた総悟も、退も!」

翼手だとか、ディーヴァだとか、十四郎はそんなものと戦いたくなどなかった。今まで戦ってこれたのは、全て家族の支えと、自分に付き従う”彼”が居たからで。

「本当に、家族なのかな?」

すぐ背後から声が聞こえて振り返ると、今まで会話を交わしていた男が立っていた。眼鏡に色素の薄い髪は、十四郎を好きだと抜かす、敵のはずの男。
伊東と名乗った男は、十四郎とはベトナムで初対面を迎えた。あの頃は敵だなどと知らず、舞踏会で共にダンスを舞った仲で。

「君は人間ではない。彼ら…君が家族だと言う彼らは人間だ。君は、彼らと共に生きることは出来ないのだよ」
「それでもっ、それでも俺はっ」
「僕なら、君と同じ時間を共有することが出来る。永遠に、君を幸せにしてあげられる」
「俺は…ッ」

自分のせいで不幸になっていく、大切な家族。…既に命を落とした近藤。
何故、死んだ?―――自分が奪った。
何故、死ななければならなかった?―――自分が巻き込んだ。
どうすれば救えた?―――自分が、居なければ。

「おれ、は…」
「僕と生きよう。君は、僕の母親でもあり、恋人でもあるのだから」

目の前に差し出された手は、いつの間にか地に崩れ落ちていた十四郎を起こすためのものではないということは、十四郎にも分かっていた。
十四郎の前に跪き、穏やかな無表情で十四郎が自らの手を握るのを待つ伊東。

「僕のところへ来い。…もう、君は戦わなくても済む」

戦わなければ、昔のように、総悟や退と暮らせないと思って、戦ってきた。決意した、最後まで戦い抜くと。そしてまた三人で沖縄で暮らすのだと。
だが、今この手を取れば。総悟も退も、戦いに巻き込まないで済む。そして自分も、幸せに…。
十四郎は、ゆっくりと手を重ねようとした。

「十四郎!」
「っ、ぎ、んとき」

その瞬間、聞きなれた声に名を呼ばれて十四郎は弾かれたように手を引いた。声のした方を見ると、今までずっと自分を守り、共に戦ってくれた男がこちらを睨んでいる。

「十四郎、ダメだ。行っちゃいけねェ」
「…君は、土方君のシュヴァリエだろう。付き従う者なら、主人の幸せを願うべきなのではないか?」
「十四郎の幸せは、俺の幸せだ」
「…仕方が無い」

隣で空気が動いた気配がして見ると、伊東が先ほどの穏やかな表情を消し、獰猛な光を目に宿して立ち上がっていた。
十四郎が瞬きをした後には既にその姿は隣にはなく、伊東の変異した右手が銀時の翼手化した右手とぶつかり合っている。シュヴァリエ…人を超越した能力が、目には留まらないバトルを可能としている。

「っ君とは、いずれ戦わなくてはならないと予感していたよ!土方君を奪うには、君は邪魔以外の何者でもないからね!」
「十四郎は渡さねェ。十四郎の願いを、いつか叶える時まで」
「伊東!銀時!」

伊東の鋭利な灰色の右手と、銀時の赤黒く獣のような右手が、火花を散って高速で交わされる。やがて二人は廃墟から飛び出して行ってしまった。

「君を連れて行くため、彼と戦ってくるよ。待っていてくれ」
「十四郎、待ってて」

二人の笑顔を残して。



このあと、山崎が死にますね(笑)ディーヴァは誰だろう…想像つかない。
私的に、
アンシェル→松平のとっつあん。
ネイサン→服部(中の人繋がり)
ジェームズ→ヅラ
ソロモン→伊東
カール→高杉
かな?
十四郎は学ランじゃなくてセーラー服でも充分似合うというか、むしろセーラーのほうが可愛いっていうか、もう何でも似合うっていうか、十四郎ならなんでもいい(なんだそれ)
PR
Name

Title

Mailadress

URL

Font Color
Normal   White
Comment

Password
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

忍者ブログ/[PR]

Template by coconuts
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
リンク
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[07/20 霜月]
[06/19 霜月]
[05/20 霜月]
[03/21 霜月]
[03/11 霜月]
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
氷河心
性別:
女性
バーコード
RSS
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
アクセス解析